デザインを考える

制限を明確にする

サイトデザインに求められる機能は「コンテンツを邪魔せず引き立てること」だと思います。そしてそれを実現すべく、デザインの主要素である「配置(コンテンツ、ナビゲーション)」と「配色(背景色、文字色)」の組み合わせを突き詰めていくことになります。

自由にデザインできる面白さがある反面、多くの選択肢からベストな組み合わせを見つけだす作業には、誰もが悩まされると思います。先ずは選択肢を狭めることから始めてみましょう。

「イメージカラー」「自社のブランド戦略」「想定訪問者(性別・年齢)」「同業他社の動向」など、考慮すべき要素は多々あると思います。一つ一つ明確に定義することで、デザインの自由度を狭めていきましょう。制限は発想を生むスイッチだと思います。

ウェブデザインの軸は操作性

車や家具、建造物などの立体的なものから、ブランドロゴや雑誌などの平面的なものまで、身の回りにはデザインされたもので溢れています。それらを眺めていると、デザインには共通する原則があるということに気付きます。それは「それがそれとして認知できる形を持っている」こと、デザインによる差別化とは、「認知された形を踏襲した上で個性を乗せたもの」だと思います。

例えば、待合室に置いてある椅子は、注意書きがなくても誰もが腰をおろして利用しています。色や素材が変わろうとも、形さえ崩さなければ椅子であると認知されます。独創的でどんなにカッコよくても、それが椅子だと認知されなければ、素晴らしいデザインとは言いがたいですね。

日々新たな表現方法が生まれては消えるウェブデザイン。このウェブデザインにおける認知とは操作性だと思います。経験から学び、慣れ親しんだ操作性は、デザインする上での軸と考えるべきだと思います。奇抜な表現方法は一部のマニアには受けるかもしれませんが、大多数のユーザーからみれば不親切極まりないと思います。

慣れ親しんだ操作性を用意したうえで、コンテンツを味わってもらえるような個性を付け加えていきましょう。

配色に終わりなし

凝りだすと何が正解なのか分からなくなるのが配色です。取り敢えず好みのイメージカラーを決め、同系色でまとめれば無難に仕上がります。初めはシンプルに、徐々に挿し色を加え育てていきましょう。配色は塗り絵と一緒で、下絵(骨格)さえしっかりしていれば、多少の塗り損じがあっても絵としては成り立ちます。理論より実践から得た知識は確実に、自分の感性を豊かにすると思います。

他のサイトは無償の教科書

「デザインは個性です。世界にたった一つの素敵なサイトを作りましょう!」と言いたいところですが、デザインを突き詰めていくと似通ってしまうのは仕方のないことです。先人のアイデアを研究し、良いと思えるものはドンドン取り入れていきましょう。まねて学び知識を積み重ねることは、人類の知恵ですよね。