CMSとは?
CMS(Content Management System)は、ウェブサイトの構築・運用が簡単にできるよう設計されたソフトウェアであり、ウェブサーバーにインストールして利用します。
ウェブサーバーにインストールすることによって生まれる利便性、それが運用方針に沿うようであれば、前向きに導入を検討すべきだと思います。しかし、利便性と引き換えに、データ損失や改竄、ウィルス感染などのリスクが高まるのも事実です。運用管理がおざなりになる可能性が否定できないのであれば、利便性よりもリスク回避を優先し、CMS導入は見送るべきかもしれません。
とはいえ、サイト構築の流れがCMSへ向かっている現状では、導入するか否かを問わず知識を得ることは、決して無駄にはならないと思います。
CMSの利便性
私が思うCMSの利便性は二つ。それは、
- サイトの構築・更新はウェブブラウザーを介して行う
- 付加機能(コンタクトフォームや掲示板など)実装の容易性
が挙げられます。
汎用的なウェブブラウザーを利用することは、クライアント端末(パソコン、スマートフォンなど)を選ばないということであり、どこからでも更新できるということです。これを優位と捉えるかどうかはサイト構成や運用体制によると思いますが、便利であることに間違いはないでしょう。
次に付加機能についてですが、「コンテンツだけ作ればそれでよし」とは言い難く、掲示板やメールフォームといった標準的機能やSNS(Social Networking Service)との連携など、ネットサービスを取り巻くトレンドにどう対応するか、を常に検討しなくてはなりません。自力で実装することも可能ですが、先人の労力を簡単に取り込める利便性は魅力的ですね。
考慮すべきリスク
CMS運用で考慮すべきリスクは一つ。それは「サイトが損傷を受ける可能性が高まる」ということでしょう。
改竄やデータ消失などが引き起こされる要因は二つ、
- 悪意ある第三者による乗っ取り
- ウェブサーバーの機器故障
が挙げられます。
CMSを常に最新状態にしておくこと、パスワードを簡単な文字列にしないことで、ある程度不正アクセスへの対処は可能です。ただし、絶対とは言い切れませんので、機器故障対策も含めた対策として、定期的なデータのバックアップは確実に行なわなければなりません。運用に入る前に手順をマニュアル化しておきましょう。
無料で使える主なCMS
- WordPress
- ブログツールから機能を拡張し、現在最も普及しているCMSツールで、当サイトもWordPressを利用しています。管理画面が使いやすく、デザイン変更の簡易さも魅力ですね。
- Movable Type
- 「ブログツールといえばMovable Type」という一時代を築きました。今でも認知度は高いでしょう。無料で使うには個人利用に限定されますが、有料サポートを望む法人にとっては適しているかもしれません。
- Joomla!
- バランスも良くCMSのスタンダードだと思います。管理画面が洗練されているので直感的な操作が可能だと思います。取り敢えずインストールして遊んでみることをお奨めします。
- Drupal
- インストール直後は最低限の機能しか提供されていませんが、高い拡張性を持っていますので、欲する機能は容易に実装できると思います。動作が重いこと、日本語情報の少ないことが気になります。
- MODX
- まさに制作ソフトをサーバーにインストールしてサイト構築するようなイメージですね。デザイン変更が分かりやすく、個人的にはWordPressの次に好きなCMSです。
- XOOPS Cube
- CMSの代名詞的な存在であったXOOPSから分離した和製CMSで、コンテンツを作り込むというより掲示板等のコミュニティサイトに向いていると思います。日本語での豊富な情報量は魅力ですが、直感的には扱えない敷居の高さを感じます。すでに役目を終えた感が漂っていますね……。
他にも【OpenPNE】【EC-CUBE】など多様なCMSが存在しますし、検索すれば様々引っかかってくるでしょう。【XAMPP】などでローカルにテスト環境を構築し、用途・感性に合うCMSに出会うまで試用してはいかがでしょうか。